LAW11〜20

■■■クリケット競技規則■■■

1980年改正版
Marylebone Cricket Club 承認 日本クリケット協会公認公式規則集
発行:日本クリケット協会 発行人:山田 誠

LAW11 ピッチカバー

  1. 試合開始前
    試合開始前はカバーでピッチを完全に覆ってもよい。
  2. 試合中
    試合中は事前の合意や規則がないかぎり、カバーでピッチを完全に覆ってはならない。
  3. ボーラーの足場のカバー
    いつでも必要なときは、ボーラーの足場をカバーで覆ってもよいが、そのカバーはポッピングクリースから1.22mより前に敷いてはならない。
注意
  1. カバーの除去
    天候の回復があったらすぐにカバーを外さなければならない。


LAW12 イニング

  1. イニングの数
    試合開始前の合意により、試合は1イニングか2イニングで行われる。
  2. イニングの交代
    2イニングマッチの場合、LAW13(フォローオン)のケースを除き、各チーム交互にイニングを交代する。
  3. トス
    両キャプテンはスケジュールに基づく試合開始時刻か、合意された試合開始時刻の15分前までに、イニングを決めるためのトスを行う。
  4. イニングの選択
    トスに勝ったキャプテンは、スケジュールに基づく試合開始時刻か、合意された試合開始時刻の10分前までに、バッティングをするかフィールディングをするかの決定をし、相手チームのキャプテンに報告しなければならない。そしてその後の変更はできない。
  5. 1イニングマッチ終了後の試合続行
    1イニングマッチで1stイニングが早く終了し、両キャプテンによって2ndイニングを続けるだけの時間がまだ十分にあると判断された場合は、上記1の規定に関係なくその試合を続行することができる。LAW21(結果)参照。
注意
  1. リミテッドイニング−1イニングマッチ
    1イニングマッチでは、合意によって各イニングをオーバー数か時間で制限することがある。
  2. リミテッドイニング−2イニングマッチ
    2イニングマッチでは、合意によって1stイニングをオーバー数か時間で制限することがある。


LAW13 フォローオン

  1. 1stイニングのリード
    2イニングマッチにおいて、バッティングを先に行ったチームが、1stイニング終了時において相手チームを200ラン(5日間試合以上)、150ラン(3、4日間試合)、100ラン(2日間試合)、75ラン(1日試合)以上リードした場合、そのチームは相手チームにイニングの続行を要求することができる。
  2. 試合日数の減少
    2日間以上の試合でその1日目のプレーができなかった場合、フォローオンに必要なリードは、試合日数の減少のため変更された日数を上記1に適用し決定される。


LAW14 デクラレーション

  1. デクラレーションのタイミング
    バッティングサイドのキャプテンは、試合の長さに関係なく試合中いつでもデクレアーをしイニングを終了してもよい。
  2. 2ndイニングの放棄
    いずれかのキャプテンは、イニング交代のための10分の間に、7分間のピッチに対するローラーがけの時間が相手チームに十分与えられるのであれば、相手チームのキャプテンとアンパイアに自チームの2ndイニング放棄を要求することができる。LAW10(ピッチのローラーがけ、掃除、芝刈り、水撒き、およびクリースラインの引き直し)参照。その場合、イニング交代のための時間は通常通り10分である。


LAW15 プレーの開始

  1. プレーのコール
    ボーラーズエンドのアンパイアは各イニングの開始時、各日の試合開始時、およびインターバルや中断後の試合再開時に、「プレー」をコールして試合を始めなければならない。
  2. フィールド内での練習
    試合がある場合はいかなるときでも、ピッチでボーリングやバッティングの練習をしてはならない。 アンパイアが時間の浪費になると判断した場合は、フィールド内で練習を行ってはならない。
  3. ランアップの練習
    いずれのセッションにおいても「プレー」のコール後は、バッツマンがアウトになった際、アンパイアによって時間の浪費にならないとして許可された場合を除き、ランアップの練習をしてはならない。


LAW16 インターバル

  1. 長さ
    アンパイアは同意されたランチのためのインターバルや、イニング間の10分のインターバルを許可する。
  2. ランチタイム−イニングの終了、あるいは試合の中断がランチタイムの10分以内にあった場合
    同意されたランチタイム予定時間の10分以内になって、試合がイニングの終了や、天候、明るさによる理由で中断した場合は、ランチタイムがただちにとられる。 そのセッションの残りの時間は、同意されたランチタイムに加えられるが、イニング交代があった場合、10分のインターバルは、ランチタイムに含まれ延長されることはない。
  3. ティータイム−イニングの終了、あるいは試合の中断がティータイムの30分以内にあった場合
    同意されたティータイム予定時間の30分以内になって、試合がイニングの終了や、天候、明るさによる理由で中断した場合は、ティータイムがただちにとられる。 そのインターバルの長さは同意された時間で、もし可能であればイニング交代のためのインターバルをティータイムに含む。
  4. ティータイム−プレーの続行
    同意されたティータイム予定時間になった時点で9ウィケットアウトの場合は、30分以内の範囲で延長するか、イニングが終了するまでプレーを続行する。
  5. ティータイム−取り止めの合意
    両キャプテンは試合中いつでもティータイムの取り止めに合意することができる。
  6. ドリンクインターバル
    試合開始前両キャプテンの合意があれば、試合中ドリンクインターバルをとることができるが、とるかとらないかの選択権はいずれのサイドにもある。ドリンクインターバルは1セッションにつき1回、5分以内でなるべく短時間とし、試合の最後の1時間の中ではとらない。
    ドリンクインターバルは合意にしたがってきちんととらなければならないが、ドリンクインターバル予定時間の5分以内にウィケットアウトがあった場合は、インターバルがただちにとられる。 ドリンクインターバル予定時間の30分以内になって、イニングの交代や、天候、明るさによる試合の中断があった場合、そのセッションにおいてドリンクインターバルはとらない。
    両キャプテンは試合中いつでもドリンクインターバルの取り止めに合意することができる。
注意
  1. ティーインターバル−ワンデイマッチ
    ワンデイマッチの場合、ティーインターバルを特にとる必要はないが、1イニングゲームのイニング内でとることに合意することはできる。
  2. インターバルの時間変更についての合意
    天候や明るさといったグラウンドコンディションによる試合中断中、アンパイアは両キャプテンとの合意に基づき、時間節約のためにランチタイムやティータイムの時間を前にずらすことを決定することができる。


LAW17 プレーの休止

  1. タイムのコール
    ボーラーズエンドのアンパイアは、インターバルや試合の中断、各日のプレー終了、試合終了によるプレーの休止の際、「タイム」のコールをする。LAW27(アピール)参照。
  2. ベイルの除去
    アンパイアは「タイム」のコールの後、両方のウィケットからベイルを取り除く。
  3. ラストオーバーの開始
    インターバル予定時間あるいはプレー終了時間がくる前に、ストライカーズエンドのアンパイアがオーバーによる位置変更のため、通常の歩く速さでボーラーズエンドの所定位置についた場合、そのオーバーは開始されなければならない。
  4. セッションのラストオーバーの終了
    インターバルあるいはセッション終了前に始めたラストオーバーは、最後まで行わなければならない。ただしそのオーバーでバッツマンがアウトになったり、インターバル予定時間あるいはセッション終了予定時間の2分以内なってリタイアがあったり、フィールドから退場する選手がでた場合はその時点でプレーが休止する。
  5. 試合のラストオーバーの終了
    最終日のラストオーバーはいずれかのキャプテンの要求があれば、試合終了予定時間の後でバッツマンがアウトになったとしても、最後まで行わなければならない。
    もしラストオーバーの途中でグランドから退場する選手がでた場合、アンパイアは「タイム」をコールする。その結果試合はその時点で終了となりその後の試合再開はない。
  6. 試合最後の1時間−オーバー数
    最終日のラストオーバーはいずれかのキャプテンの要求があれば、試合終了予定時間の後でバッツマンがアウトになったとしても、最後まで行わなければならない。
    もしラストオーバーの途中でグランドから退場する選手がでた場合、アンパイアは「タイム」をコールする。その結果試合はその時点で終了となりその後の試合再開はない。
    6.試合最後の1時間−オーバー数
    アンパイアは同意された試合時間が残り1時間になった時点で、そのことを知らせなくてはならない。そしてその次のオーバーから残りの1時間は、試合が途中で終了するかインターバルや中断がないかぎり、最低20オーバー(1オーバー6球の場合)もしくは15オーバー(1オーバー8球の場合)行わなければならない。
  7. 試合最後の1時間−イニングの交代と試合の中断
    試合最後の1時間開始時点でインターバルや試合の中断が進行中であったり、その1時間の途中でイニングの交代や試合の中断がある場合、最低オーバー数は試合再開時点でそれらのインターバルや中断の時間によって減らされる。
    最低オーバー数は試合再開後、次のように計算される。
    1. 試合最後の1時間開始時点で、インターバルや試合の中断が進行中である場合や、その1時間の中 で最初のインターバルもしくは中断の場合、最低オーバー数は20オーバー(1オーバー6球の場合)あるいは15オーバー(1オーバー8球の場合)から差し引く。
    2. その後再びインターバルや試合の中断があった場合、試合再開後の最低オーバー数はさらに差し引かれる。
    3. 以下の要領で最低オーバー数は差し引かれる。
      1. 試合最後の1時間ですでに行われたオーバー数や、その後の最終セッションにおけるインターバルや試合中 断の時間と同等のオーバー数は、最低オーバー数から差し引かれる。
      2. インターバルや試合中断のために失った時間を3分毎に1オーバー(1オーバー6球の場合)あるいは4分毎に1オーバー(1オーバー8球の場合)として計算し差し引く。
      3. オーバー途中でイニングの終了があった場合、そのオーバーは計算から外される。
      4. オーバー途中で試合の中断があった場合、そのオーバーは計算に入れる。そして試合再開時にそのオーバーの残りを行う。
      5. イニング交代のための10分間や、中断開始時の「タイム」のコールから試合開始時の「プレー」のコー ル までの時間も計算に入れる。
    4. 試合最後の1時間の途中でイニングの交代があった場合、その新しいイニングにおける最低オーバー数の計算法は、上記(a),(b),(c)の他に1オーバー6球の場合、残り時間を3で割り小数点以下は切り上げて計算し、1オーバー8球の場合は、残り時間を4で割り切り上げて計算する方法がある。この状況においてはより多くのオーバー数が行われる方を採用する。
  8. 試合最後の1時間のオーバー途中で、ボーラーがそのオーバーを終えられなくなった場合
    上記6で示した試合最後の1時間の中で、ボーラーがいかなる理由においても、そのオーバーを終えられなくなった場合は、LAW22.7(オーバー途中でボーラーが投球できなくなった場合)が適用される。


LAW18 スコアリング

  1. ラン
    スコアはランによって記録される。ランは以下の場合記録される。
    1. バッツマンがボールをヒットした後かもしくはインプレーの時、両バッツマンが相互にエンドチェンジを行った場合。
    2. バウンダリーが記録されたとき。LAW19(バウンダリー)参照。
    3. ペナルティーランが記録されたとき。下記6参照。
  2. ショートラン
    1. どちらかのバッツマンが1ショートランであった場合、アンパイアはボールデッドになった時点ですぐに「ワンショート」のコールとシグナルをする。そのときのランは認められない。ショートランとはバッツマンが次のランのためターンするとき、ポッピングクリースの後方(ライン上は認められない)のグラウンディング(バット、身体の一部を地面にタッチすること)に失敗することをいう。
    2. ショートラン以降のランは、完全に行えば認められる。
    3. いずれかのバッツマン、もしくは両方のバッツマンが故意にショートランをし、かつアンパイアによってフィールディングサイドがいずれかのバッツマンをアウトにすることができないと判断された場合、アンパイアはすぐに「デッドボール」のコールとシグナルをする。そのときのランは全て認められず、バッツマンはもとのエンドに戻される。
    4. 両方のバッツマンが同時にショートランをしたときは1ショートランのみ減らされる。
    5. 3ラン以上の場合、1ショートラン以上の可能性があり、上記(c)、(d)に基づいて「ショートラン」をコールされたランは認められない。アンパイアは1ショートラン以上あった場合、認められないランの数をスコアラーに指示しなければならない。
  3. コート
    ストライカーがコートアウトになった場合、全てのランは認められない。
  4. ランアウト
    バッツマンがランアウトになった場合、アウトになったランのみが認められない。しかし負傷したバッツマン自身がランアウトになった場合は、全てのランが認められない。LAW2.7(負傷したバッツマン、代走の規則違反)参照。
  5. オブストラクティング・ザ・フィールド
    バッツマンがオブストラクティング・ザ・フィールドでアウトになった場合、それ以前のランは認められるが、バッツマンがフィールダーのキャッチを妨害した場合、全てのランは認められない。
  6. ペナルティーに対するラン
    ペナルティーによるランは、LAW20(ロストボール)、LAW24(ノーボール)、LAW25(ワイドボール)、LAW41.1(フィールディング・ザ・ボール)があるが、そのランがバウンダリーに達した場合はLAW19(バウンダリー)が適用される。
  7. バッツマンがもとのエンドに戻される場合
    両バッツマンがインプレー時、ランニングの際に交差した後でショートランがあったり、コートアウトがあった場合、バッツマンはもとのエンドに戻らなくてもよい。ただし、バウンダリーやランが認められなかった場合、負傷したバッツマン自身がランアウトになったときは、もとのエンドに戻らなければならない。LAW2.7(負傷したバッツマン、代走による規則違反)
注意
  1. ショートラン
    ストライカーがポッピングクリースの外の位置からランニングを開始してもショートランにはならない。


LAW19 バウンダリー

  1. プレーエリアのバウンダリー
    イニングを決めるトスの前に両アンパイアと両キャプテンは、プレーエリアのバウンダリーについて合意しなければならない。バウンダリーは可能であれば、白いロープをグランドに置くかあるいはフェンスで示す。バウンダリーを示すのにフラッグやポストしかない場合は、それらを結ぶイマジナリーラインがバウンダリーを示す。プレーエリアの中にある障害物や人は、トスの前にアンパイアによって決定されないかぎりバウンダリーとはみなされない。プレーエリア内に全部もしくは一部分入っているサイトスクリーンについては、バウンダリーとみなされ、ボールがスクリーンに当たったり、中や下を通り抜けたり、直接越えたりした場合はバウンダリーによるランが記録される。
  2. バウンダリーによるランのスコア
    イニングを決めるトスの前に、両アンパイアは両キャプテンとグラウンドの慣習によって、バウンダリーによるランの数を決定する。バウンダリーは通常4ランで、ボールがバウンダリーラインやフェンスをノーバウンド、あるいはフィールダーに触れて越えた場合は6ランとなる。フィールダーがボールをキャッチした後で、バウンダリーを越えた場合も6ランである。LAW32(コート)注意(a)参照。ボールがノーバウンドで、プレーエリア内に全部、あるいはその一部分が入っているサイトスクリーンに当たった場合は6ランではなく4ランであるが、直接越えた場合は6ランである。
  3. バウンダリー
    アンパイアが以下の状況であると判断した場合、バウンダリーが記録され、シグナルが出される。
    1. インプレー中、ボールがバウンダリーラインに触れたり越えた場合。
    2. ボールを持ったフィールダーの身体の一部が、バウンダリーラインに触れたり越えてグラウンディング(地面につくこと)した場合。
    3. ボールを持ったフィールダーの身体の一部が、フェンスやボードを越えてグラウンディングした場合。ただしフィールダーがバウンダリーを防ぐため、フェンスやボードに触れたりもたれかかるなどして越えることは許されている。
  4. バッツマンによるランがバウンダリーによるランを越えた場合
    ボールがバウンダリーに到達した時点で、バッツマンによるランがバウンダリーによるランを上回っている場合は、バッツマンによるランが記録される。
  5. フィールダーのオーバースローまたは故意の行動
    フィールダーのオーバースローや故意の行動により、ボールがバウンダリーになった場合、オーバースローや故意の行動があった時点でのバッツマンによるランにバウンダリーが加えられる。この場合直前のランはオーバースローや故意の行動があった時点で、バッツマンがランニングのため交差していれば、そのランは成立したものとみなされる。
注意
  1. サイトスクリーンの位置
    サイトスクリーンはできるかぎりバウンダリーラインの外側に位置するようにする。


LAW20 ロストボール

  1. ランの記録
    インプレー中にフィールダーがボールを見失い、見つけ出すことができなくなった際、フィールダーは「ロストボール」とコールすることができるが、この場合バッティングサイドに6ランが与えられる。ロストボールのコールがあった時点でバッツマンが6ラン以上していればそのランが記録されるが、この場合直前のランはコールがあった時点で、バッツマンがランニングのため交差していれば、そのランは成立したとみなされる。
  2. ランの記録方法
    ロストボールによるランは、ストライカーがボールを打った場合、ストライカーのランとして、それ以外のバイやレッグバイ、ノーボール、ワイドの場合はそれぞれのケースにしたがってランが記録される。