LAW21〜30

■■■クリケット競技規則■■■

1980年改正版
Marylebone Cricket Club 承認 日本クリケット協会公認公式規則集
発行:日本クリケット協会 発行人:山田 誠

LAW21 結果

  1. 勝利−2イニングマッチ
    2イニング終了時点でランの合計の多いサイドが勝利チームである。
  2. 勝利−1イニングマッチ
    1. 上記1以外の1イニングマッチの場合は、1イニングの結果で勝敗を決定する。LAW12.5(1イニングマッチ終了後の試合続行)参照。
    2. 両キャプテンはLAW12.5(1イニングマッチ終了後の試合続行)に基づき、1イニング終了後試合の続行を決定することができるが、2ndイニングが終了しなかった場合は、1stイニングの結果が最終的なものとなる。
  3. アンパイアによる試合の判定
    1. 以下の場合、そのチームはアンパイアによって試合に負けたものと判定される。
      1. 試合を放棄した場合
      2. 負けを認めた場合
        その結果、アンパイアは相手チームを勝利チームと判定する。
    2. バッツマンあるいはフィールダーが試合中、アンパイアの同意なしに退場した場合、その選手はプレーを放棄したものとみなされる。その際アピールがあればアンパイアは上記(a)に基づいて相手サイドを勝利チームと判定する。
  4. タイ
    最後のバッティングサイドがイニングを終了し、試合が終了した時点でランの合計が同じ場合はタイとなる。
    ワンデイマッチにおいては1stイニング終了時点でランの合計が同じ場合、勝敗決定のための試合延長をしないのであればタイとなる。
  5. ドロー
    上記1、2、3、4の条件に当てはまらず試合の結果がでなかった場合はドローとなる。
  6. 結果の正確さ
    スコアの正確さに関してはアンパイアが責任をもつ。
    LAW3.14(スコアの正確さ)参照。
    試合終了と確信し、アンパイアと選手がグランドから退場した後で試合の結果に影響するスコアミスが発覚した場合、試合時間が残っていればアンパイアは試合再開を指示し、試合時間の範囲内で続行される。
    試合時間が残っていない場合、アンパイアは両キャプテンにスコアと試合の結果に修正を加える必要のあることをただちに報告する。
  7. 結果の承認
    スコアラーによってスコアの報告がなされ、両アンパイア、両キャプテンが同意した時点で、その試合の結果が承認されたとみなされる。
注意
  1. 結果の表示
    試合の結果表示は、ランの差によって行うが、後攻めのバッティングサイドが勝った場合は、残りのウィケット数の差で表示する。
  2. ウイニングヒット、エキストラ
    上記1、2にしたがって試合が終了したらすぐに、アンパイアは「タイム」をコールしゲームを終える。上記6のようなスコアミスがあった場合、ウイニングヒットやエキストラは試合の一部とみなされ続行される。
    ウイニングヒットやエキストラがバウンダリーで、勝つために必要なランを越えた場合は、そのままそのランを加え、もしそれがヒットによるランであればストライカーの得点となる。


LAW22 オーバー

  1. ボールの数
    試合前の合意に基づき、1オーバー6球もしくは8球で各ウィケットから交互に投球される。
  2. オーバーのコール
    合意された数のボールが投球された後、ボールがデッドになるかフィールディングサイドとバッツマンの両方がインプレーとみなすことを明らかにやめたとボーラーズエンドのアンパイアが判断した場合、アンパイアはウィケットを離れる前に「オーバー」をコールする。
  3. ノーボール、ワイドボール
    ノーボール、ワイドボールともに投球数としてカウントしない。
  4. アンパイアのカウントミス
    アンパイアがボールのカウントを間違えた場合、アンパイアのカウントが有効となる。
  5. ボーラーのエンドの交代
    1イニングの中で2オーバー続けて投球しないかぎり、ボーラーはエンドを変えてもよい。
  6. ボーラーのオーバー終了
    避けられない理由によって投球ができなくなったり、LAW42.8(ファースト・ショート・ピッチド・ボール)、LAW42.9(ファースト・ハイ・フル・ピッチ)、LAW42.10(時間浪費)、LAW42.11(選手がピッチにダメージを与える行為)でないかぎりボーラーは合意された投球数を投げ終えなければならない。オーバー途中になんらかの理由でインターバルや中断があった場合、残りは試合再開後に行われる。
  7. オーバー途中でボーラーが投球できなくなった場合
    もしなんらかの理由でオーバーの1球目のランアップ途中や、オーバーの途中でボーリングできなくなったりボーリングが禁止された場合、アンパイアは「デッドボール」をコールし別のボーラーにそのオーバーを同じエンドから投球させるが、交代するボーラーはその前後のオーバーを連続して投球することはできない。
  8. ノンストライカーの位置
    ボーラーズエンドのバッツマンは通常、アンパイアからの要求がないかぎりボーラーの投球するウィケットの反対側に位置する。


LAW23 デッドボール

  1. ボールがデッドになる場合
    1. ウィケットキーパーかボーラーがボールを最終的に補球した場合。
    2. ボールがバウンダリーに到達した場合。
    3. バッツマンがアウトになった場合。
    4. プレーしたかどうかに関係なく、ボールがバッツマンかアンパイアの身体に引っ掛かった場合。
    5. フィールダーが着用しているヘルメットにボールが引っ掛かった場合。
    6. LAW20(ロストボール)あるいはLAW41.1(フィールディング・ザ・ボール)に基づきペナルティーが与えられた場合。
    7. アンパイアが「オーバー」あるいは「タイム」をコールした場合。
  2. いずれかのアンパイアが「デッドボール」のコールとシグナルをする場合。
    1. アンフェアプレーがあった場合。
    2. 選手やアンパイアが負傷した場合。
    3. 正当な理由によってストライカーがボーラーの投球に対して打つ準備ができずにプレーができない場合。
    4. 投球前にボーラーが偶然ボールを落としたり、なんらかの理由でボーラーの手からボールが離れなかった場合。
    5. ストライカーズウィケットの両方もしくは片方のベイルが、投球される前に落ちた場合。
    6. アンパイアが協議のために通常の位置から離れる場合。
    7. LAW26.3(レッグバイが認められない場合)等でアンパイアが「デッドボール」をコールする必要がある場合。
  3. ボールがデッドでないとき
    1. ボールがアンパイアに当たった場合。ただしアンパイアのユニフォームに引っ掛かった場合はデッドボールである。
    2. ウィケットが壊れたり倒れた場合(バッツマンがそれによってアウトにならなければデッドボールではない)。
    3. アピールが認められなかった場合。
    4. ボーラーの投球の際もしくはランニングの際に、ウィケットが偶然壊れた場合。
    5. アンパイアが「ノーボール」か「ワイドボール」をコールした場合。
注意 (a)ボールの最終的な補球
上記1
  1. ボールの最終的な補球についての判断はアンパイアが行う。
  2. 「デッドボール」のコールがあった場合
    1. ストライカーが投球を受ける前に「デッドボール」のコールがあった場合、ボーラーはもう一度その投球を行う。
    2. ストライカーが投球を受けた後に「デッドボール」のコールがあった場合、「ノーボール」や「ワイド」でなければ改めてそのボールを投げるということはない。


LAW24 ノーボール

  1. 投球の方法
    アンパイアはストライカーに対してボーラーの投球方法(オーバーかラウンド・ザ・ウィケット、オーバーかアンダーアーム)を知らせなければならない。ボーラーは投球方法を変更する際、そのことをあらかじめアンパイアに知らせなければアンフェアとみなされる。この場合アンパイアは「ノーボール」のコールとシグナルをする。
  2. 正しい投球−腕
    正しい投球はスローイングではなくボーリングによるものである。下記注意(a)参照。これに基づきスローイングが行われた場合、アンパイアはすぐに「ノーボール」のコールとシグナルをする。
  3. 正しい投球−足
    投球の際ボーラーの足が以下の条件に当てはまらない場合、ボーラーズエンドのアンパイアは「ノーボール」のコールとシグナルをする。
    1. ボーラーのバックフットがリターンクリース、もしくはその延長線の内側(ラインにタッチするとノーボールとなる)にある場合。
    2. ボーラーのフロントフットの一部が地面に着いているかいないかにかかわらず、ポッピングクリースの後方にある場合。
  4. ボーラーが投球前にストライカーズウィケットにスローイングした場合
    ボーラーが投球前、ランアウトをとるためにストライカーズウィケットにスローイングした場合、アンパイアは「ノーボール」のコールとシグナルをする。LAW42.12(バッツマンが不当にランを狙う行為)、LAW38(ランアウト)参照。
  5. ボーラーが投球前にノンストライカーをランアウトにしようとした場合
    ボーラーが投球前、ノンストライカーをランアウトにしようとした場合、それによるランは認められノーボールとして記録される。この場合、投球数としてカウントせず、アンパイアは「ノーボール」のコールをしない。LAW42.12(バッツマンが不当にランを狙う行為)参照。
  6. ウィケットキーパーあるいはフィールダーによる規則違反
    ウィケットキーパーがLAW40.1(ウィケットキーパーのポジション)に、フィールダーがLAW41.2(オンサイドフィールダーの人数制限)かもしくはLAW41.3(フィールダーのポジション)に違反した場合、アンパイアは「ノーボール」のコールとシグナルをする。
  7. コールの取消し
    フェアプレーとアンフェアプレーの判断はアンパイアのみが行う。
  8. ペナルティー
    なんらかの理由でボールがボーラーの手から離れなかった場合、アンパイアは「ノーボール」のコールを取り消す。LAW23.2(いずれかのアンパイアが「デッドボール」のコールとシグナルをする場合)参照。
  9. ノーボールから得たラン
    ストライカーはノーボールを打ってもよく、そのときのランはストライカーのランとして記録される。他の方法で得たランはノーボールとして記録される。
  10. ノーボールでのアウト
    ノーボールの場合でもストライカーがLAW34(ヒット・ザ・ボール・トワイス)で、またいずれかのバッツマンがランアウト、もしくはLAW33(ハンドルド・ザ・ボール)、LAW37(オブストラクティング・ザ・フィールド)でアウトになることがある。
  11. ノーボールでアウトになったときのラン
    ノーボールの際にバッツマンがアウトになっても他の方法で得点されないかぎり、ペナルティーによる1ランが記録される。
注意
  1. スローの定義
    ボーリングアームは腰の横の位置から、ボールを離す瞬間までその形を変えず(伸ばしたままか曲げたまま)に投球しないとスローとみなされる。ただし手首はこのかぎりではない。
  2. ノーボールは投球数としてカウントしない
    ノーボールは投球数としてカウントしない。LAW22.3(ノーボール、ワイドボール)参照。


LAW25 ワイドボール

  1. ワイドの判定
    投球がストライカーの通常のガードポジションから離れて非常に高い所や横にそれ、ストライカーのバットから届かない位置を通ったとアンパイアが判断した場合、アンパイアはボールがストライカーズウィケットを通過した時点で「ワイドボール」のコールとシグナルをする。
    以下の場合アンパイアはワイドボールと判断してはならない。
    1. ストライカーがガードポジションを離れてボールの届かない位置に動いた場合。
    2. ストライカーがガードポジションを離れてボールの届く位置に動いた場合。
  2. ペナルティー
    他の方法で得点されなかった場合は、ワイドボールのペナルティーによる1ランが記録される。
  3. ボールがストライカーの前で止まった場合
    ボールがストライカーズウィケットのラインの前で止まったとアンパイアが判断した場合、「ワイドボール」はコールされない。この場合、ストライカーはフィールディングサイドに妨害されずにそのボールを1回だけ打つ権利があるが、妨害があった場合、アンパイアはボールをもとの位置に置き、フィールディングサイドにフィールダーをもとの位置に戻すよう指示を与える。
    ストライカーがそのボールに対して打つ気のないことが明らかになるか、ボールを打つのに失敗した場合、アンパイアはすぐに「デッドボール」のコールとシグナルをする。
  4. コールの取消し
    「ワイドボール」のコールの後、ストライカーがボールを打った場合、アンパイアはコールを取り消す。
  5. ボールはデッドではない
    「ワイドボール」のコールがあってもボールはデッドではない。LAW23.4(ボールがデッドでないとき)参照。
  6. ワイドボールから得たラン
    ワイドボールから得たランはノーボールでなければワイドボールとして記録されるが、ランがなかった場合はペナルティーとしての1ランが記録される。
  7. ワイドボールでのアウト
    ワイドボールの場合でもストライカーがLAW35(ヒットウィケット)、LAW39(スタンプト)で、またいずれかのバッツマンがランアウト、もしくはLAW33(ハンドルド・ザ・ボール)、LAW37(オブストラクティング・ザ・フィールド)でアウトになることがある。
  8. ワイドボールでアウトになったときのラン
    ワイドボールの際にバッツマンがアウトになっても他の方法で得点されないかぎり、ペナルティーによる1ランが記録される。
注意
  1. ワイドボールは投球数としてカウントしない。LAW22.3(ノーボールかワイドボール)参照。


LAW26 バイおよびレッグバイ

  1. バイ
    投球が「ワイドボール」、「ノーボール」のいずれともコールされず、ストライカーのバットや身体にタッチせず通過し、その結果得点した場合、アンパイアは「バイ」のシグナルをし、そのランはバッティングサイドの得点として記録される。
  2. レッグバイ
    投球が「ワイドボール」「ノーボール」のいずれともコールされず、ストライカーのバットかバットを持った手を除く身体やユニフォームにやむを得ず当たり、その結果得点した場合、アンパイアは「レッグバイ」のシグナルをし、そのランはバッティングサイドの得点として記録される。
    レッグバイはアンパイアが以下のように判断した場合のみ認められる。
    1. バットでプレーしようとした場合。
    2. ボールが当たるのを防ごうとした場合。
  3. レッグバイが認められない場合
    上記1(a)(b)以外で投球がストライカーに当たった後、1stランが成立した時点か、バッツマンにランを狙う気がないことが明らかに分かった時点、もしくはボールがバウンダリーに到達した時点ですぐにアンパイアは「デッドボール」のコールとシグナルをする。
    このときのランは認められず、バッツマンはもとのエンドに戻される。


LAW27 アピール

  1. アピールのタイミング
    アンパイアは、ボーラーが次のボーリングのためにランアップを始める前までにフィールディングサイドのアピールがないかぎり、バッツマンにアウトの判定をすることはない。LAW23.1(g)(ボールがデッドになる場合)に基づいて「オーバー」がコールされボールがデッドになったとしても、「タイム」がコールされていなければアピールは有効となる。LAW17.1(タイムのコール)参照。
  2. 「HOW'S THAT?」
    「HOW'S THAT?」というアピールはどのようなアウトに対しても有効である。
  3. アピールに対する判定
    ボーラーズエンドのアンパイアは、LAW35(ヒットウィケット)、LAW39(スタンプト)、LAW38(ランアウト)がストライカーズエンドで起こった場合を除き、ストライカーズエンドのアンパイアより先にアピールに対して判定をしなければならない。
    どちらかのアンパイアがノットアウトの判定をしても、上記1(アピールのタイミング)に基づいてもう一方のアンパイアに対してアピールすることができる。この場合そのアンパイアは自分が回答できる範囲であれば判定をする。
  4. アンパイアによる判定の確認
    アンパイアはもう一方のアンパイアがより判定しやすい位置にいた場合、判定の確認をすることができる。その結果、判定に少しでも疑いがある場合は、バッツマンに対して有利な方を優先する。
  5. バッツマンの判断ミスによって自らウィケットを離れた場合
    バッツマンが判断ミスによって自らウィケットを離れた際に、アンパイアがそのバッツマンはアウトではないと判定した場合、アンパイアはそのことをバッツマンに知らせる。
  6. アンパイアの判定
    アンパイアの判定は最終的なものであるが、なるべく早いうちであればその判定を変えることができる。
  7. アピールの取消し
    フィールディングサイドのキャプテンは、自らアンパイアに対しアピールの取消を要求することができる。ただしこの要求はアウトの判定をされたバッツマンがプレーエリアから退場する前までに行い、これが認められた場合、アンパイアはその判定を取り消す。


LAW28 ウィケットダウン

  1. ウィケットダウン
    以下の場合ウィケットダウンとなる。
    1. ボールかストライカーのバットあるいは身体が、どちらかのベイルをスタンプ上から落とした場合。ただし一瞬であるかないかにかかわらず、ベイルがスタンプ上で動いた後もとに戻った場合、ウィケットダウンにはならないが、ベイルが落ちてスタンプ間に挟まった場合はウィケットダウンとなる。
    2. フィールダーがボールを持った手や腕を使ってスタンプからベイルを落とした場合。
    3. 両方のベイルが落ちている際に、ボールがスタンプ(1本でよい)を完全に倒すか、フィールダーがボールを持った手(両手でもよい)や腕を使ってスタンプ(1本でよい)を完全に倒したり引き抜いた場合。
  2. 片方のベイルが落ちている場合
    片方のベイルが落ちているときは、上記1に基づいて残りのベイルを落とすか、スタンプを完全に倒したり、引き抜いた場合ウィケットダウンとなる。
  3. 全てのスタンプが倒れている場合
    全てのスタンプが倒れている場合、フィールダーはウィケットダウンのためにスタンプ(1本でよい)をもとに戻すことができる。
  4. ベイルを使わない場合
    強風のためLAW8注意(a)(ベイルを使わない場合)に基づいてベイルを使わない事に合意した場合、ウィケットが倒れたかの判定はアンパイアによる。この状況下ではスタンプが完全に倒れていなくてもアンパイアの判定によってアウトになることがある。
注意
  1. ウィケットを直す
    インプレー中にウィケットが倒れた場合、ウィケットを直すことはアンパイアの役割ではない。LAW23(デッドボール)参照。この場合、フィールダーがウィケットを直す。


LAW29 バッツマン・アウト・オブ・ヒズ・グラウンド

  1. アウト・オブ・ヒズ・グラウンドになる場合
    バッツマンの身体か手に持ったバットの一部が、ポッピングクリース後方にグラウンディングしていない場合。


LAW30 ボウルド

  1. ボウルドアウト
    ストライカーは以下の場合、ボウルドアウトになる。
    1. 投球がウィケットを倒した場合(ボールがバットや身体に接触した後ウィケットが倒れてもアウトである)。
    2. ストライカーの打球やキックしたボールが、ストロークの終了前か、ウィケットダウンを防ごうとした結果、ウィケットを倒した場合。LAW34.1(ヒット・ザ・ボール・トワイス)参照。
注意
  1. ボウルドアウト L.B.W.でない場合
    ストライカーに対する判定がLAW36(L.B.W.)に基づき
    L.B.W.であっても、ボールがウィケットを倒せばボウルドアウトになる。