LAW31〜40

■■■クリケット競技規則■■■

1980年改正版
Marylebone Cricket Club 承認 日本クリケット協会公認公式規則集
発行:日本クリケット協会 発行人:山田 誠

LAW31 タイムドアウト

  1. タイムドアウト
    次のバッツマンが意図的にグラウンドに入るのを2分以上遅らせた場合、そのバッツマンはアウトとなるが、その2分間とはウィケットダウンがあった時点から次のバッツマンがプレーエリア内に足を踏み入れるまでの時間をいう。 ボーラーズエンドのアンパイアが、次のバッツマンが意図的にグラウンドに入るのを遅らせたと判断し、フィールディングサイドのアピールがあった場合に、そのバッツマンはアウトとなる。
  2. 時間延長
    アンパイアが時間遅延を調べるためにかかった時間は、予定試合時間に加えられる。
注意
  1. スコアブックへの記録
    バッツマンがこの規則違反でアウトになった場合、スコアブックに「タイムドアウト」と記録されるが、この場合ボーラーの奪ウィケットにはならない。
  2. プレーエリア内でのバッツマンの交代
    両キャプテンはバッツマンの交代をプレーエリア内で行うよう自チームの選手に対して指示を与える。


LAW32 コート

  1. コートアウト
    投球がストライカーのバット、あるいはバットを握った手の手首より下かグラブに当たった後、フィールダーがそのボールをグラウンドにタッチする前にキャッチした場合、ストライカーはアウトとなる。
  2. フェアキャッチ
    以下の場合、フェアキャッチが認められる。
    1. フィールダーがキャッチのための動作の間、プレーエリア内にいた場合。
      1. キャッチのための動作というのは、ボールにタッチしてからしっかりとボールをコントロールできるように保持することである。
      2. プレーエリア内にいるためには、フィールダーの身体の一部がバウンダリーラインにタッチあるいはグラウンディングしたり、ラインを越えてグラウンディングしてはならない。バウンダリーがフェンスまたはボードの場合、それを越えてグラウンディングしてはならないが、キャッチのためにそれにタッチしたりのってもかまわない。
    2. ボールがフィールダーの身体でキャッチされたり偶然引っ掛かった場合、もしくはウィケットキーパーのパッツに引っ掛かった場合。ただしフィールダーの着用しているヘルメットに引っ掛かった場合コートにならず、アンパイアは「デッドボール」のコールとシグナルをする。LAW23(デッドボール)参照。
    3. ボールをキャッチした手が地面に触れたとしても、ボールそのものが地面に触れていなければフェアキャッチとなる。
    4. ストライカーが規則に従って2回打った打球をフィールダーがキャッチした場合。
    5. フィールダーがアンパイアや別のフィールダー、ノンストライカーに当たったボールをキャッチした場合はフェアキャッチになるが、フィールダーの着用しているヘルメットに当たったボールをキャッチしてもフェアキャッチは認められない。
    6. 試合前、バウンダリーとして同意しなかったプレーエリア内の障害物に当たったボールをキャッチした場合、フェアキャッチとなる。
  3. ランの記録
    コートアウトの場合、ランは記録されない。
注意
  1. バウンダリーでのキャッチ
    ボールを持ったフィールダーの身体の一部が、バウンダリーラインにタッチしたり、それを越えてグラウンディングした場合、6ランが記録される。
  2. ボールがインプレーの場合
    フィールダーがバウンダリーを横切る前にボールを離した場合、インプレーとみなされるので、別のフィールダーによってそのボールがキャッチされるとアウトになる。ただし自分がプレーエリア内に戻ってそのボールをキャッチしてもコートにはならない。


LAW33 ハンドルド・ザ・ボール

  1. ハンドルド・ザ・ボール
    いずれかのバッツマンが、フィールディングサイドの同意のないままバットを持っていない手を使い、故意にボールに触れた場合、アピールがあればアウトとなる。
注意
  1. スコアブックへの記録
    バッツマンがこの規則違反でアウトになった場合、スコアブックに「ハンドルド・ザ・ボール」と記録されるが、この場合ボーラーの奪ウィケットにはならない。


LAW34 ヒット・ザ・ボール・トワイス

  1. ヒット・ザ・ボール・トワイス
    ストライカーが一度打ったり、身体の一部で止めたボールを、ウィケットを守るという目的以外で故意にもう一度打ったり、身体の一部に当てた場合、アピールがあればアウトとなる。ウィケットを守る目的であれば、バッツマンはバット、手以外の身体の一部を使うことができる。LAW37.2(コートを妨害した場合)参照。
    この規則の目的のため、バットを持った手がバットの一部とみなされる。
  2. フィールダーへの返球
    ストライカーがフィールディングサイドの同意なしに、バットや身体を使ってボールをフィールダーに返した場合、アピールがあればアウトとなる。
  3. 規則に従って2回打った場合の得点
    規則に従って2回打った場合、オーバースローあるいはペナルティー以外のランは記録されない。LAW41(フィールダー)参照。
注意
  1. スコアブックへの記録
    ストライカーがこの規則違反でアウトになった場合、スコアブックに「ヒット・ザ・ボール・トワイス」と記録されるが、この場合ボーラーの奪ウィケットにはならない。
  2. バッツマンの得点
    上記3に基づくオーバースローやペナルティーによるランは、最初にストライカーのバットに当たった場合、ストライカーのランになり、それ以外はエキストラとなる。


LAW35 ヒットウィケット

  1. ヒットウィケット
    ストライカーがインプレー中、以下の条件に当てはまる場合アウトとなる。
    1. ボーラーがランアップを始める時点か、投球動作に入った時点から、ストライカーが1stランを試みようとする間に、ストライカーがボールに対してプレーした後もしくはプレー中、身体の一部がバッティング動作によってウィケットを倒した場合。
    2. LAW34.1(ヒット・ザ・ボール・トワイス)に基づき、ストライカーがウィケットを守る目的で2度目のストロークを試みた際にウィケットを倒した場合。
注意
  1. ヒットウィケットでない場合
    以下の場合はヒットウィケットではない。
    1. ストライカーがボールに対してプレーした後、1stランを試みようとする以外のランニング動作中か、ランアウト、スタンプトを防ぐ際にウィケットを倒した場合。
    2. ボーラーがランアップや投球動作を始めたにもかかわらず、投球しなかったときにウィケットが倒れた場合、アンパイアは「デッドボール」のコールとシグナルをする。
    3. ストライカーがフィールダーからの返球を避ける際にウィケットを倒した場合。


LAW36 L.B.W.

  1. L.B.W.
    以下の場合、ストライカーはL.B.W.でアウトとなる。
    1. ストライカーがボールに対してプレーした場合
      ボールの最初に接触した位置が、ストライカーのバットおよびバットを持った手以外のストライカーの身体、プロテクター、ユニフォームの一部で、かつバッツマンに妨害されなければウィケットを倒したであろうと思われる投球の、
      1. バウンドした地点がボーラーズウィケットとストライカーズウィケットを結ぶライン内か、ストライカーズウィケットのオフサイドであった場合、もしくはフルピッチ(ノーバウンド)であれば、バウンドするであろうと思われる地点が両ウィケット間を結ぶライン内であって、
      2. 接触した位置が両ウィケット間を結ぶライン内であった場合(ベイルより上で接触してアウトになることもあり得る)。
    2. ストライカーがボールに対してプレーしなかった場合
      ストライカーがボールに対してプレーしなかったとアンパイアが判断した場合、ボールとの接触地点がオフスタンプの外側でも上記(a)が適用されアウトとなる。


LAW37 オブストラクティング・ザ・フィールド

  1. 故意の妨害
    いずれかのバッツマンが言動でフィールディングサイドを故意に妨害した場合、アピールがあればアウトとなる。
  2. コートを妨害した場合
    ストライカーはいずれかのバッツマンがフィールディングサイドのキャッチを故意に妨害した場合、アピールによりアウトとなる。 さらにストライカーがLAW34(ヒット・ザ・ボール・トワイス)に従ってウィケットを守る際、妨害をした場合もアウトになる。LAW34.1(ヒット・ザ・ボール・トワイス)参照。
注意
  1. 偶然の妨害
    アンパイアは妨害が故意であるかどうかを判定するが、フィールダーからの返球がバッツマンのランニング中に偶然妨害されてもアウトにならない。
  2. スコアブックへの記録
    バッツマンがこの規則違反でアウトになった場合、スコアブックに「オブストラクティング・ザ・フィールド」と記録されるが、この場合ボーラーの奪ウィケットにはならない。


LAW38 ランアウト

  1. ランアウト
    いずれかのバッツマンがランニング中、もしくはインプレー中(LAW39「スタンプト」の場合は除く)、ポッピングクリース後方のセーフティーエリアから離れている際に、フィールディングサイドによってウィケットが倒された場合、アウトとなる。バッツマンがセーフティーエリアにグラウンディングした後、返球によるケガを防ぐためにエリアから離れた際、ウィケットが倒された場合はアウトにならない。
  2. 「ノーボール」のコールがあった場合
    「ノーボール」がコールされた場合、ストライカーがランを試みようとしないかぎり、ランアウトになることはない。
  3. どちらのバッツマンがアウトになるか
    ランニング中バッツマンが交差していた場合、倒されたウィケットに向かっているバッツマンがアウトになり、交差していなかった場合は、倒されたウィケットを離れたバッツマンがアウトとなる。いずれかのバッツマンがセーフティーエリアを動かずにいたり、一度出て戻ったところへもう一方のバッツマンがきて一緒になった場合、バッツマンのいない方のウィケットが倒されれば、そのウィケットを離れたバッツマンがアウトになる。
  4. ランの記録
    ランアウトの場合、アウトになったときのランだけが記録されない。ただし負傷したバッツマンがランアウトになった場合、全てのランは認められない。LAW2.7(負傷したバッツマン、代走の規則違反)参照。
注意
  1. ストライカーのプレーしたボールが反対側のウィケットを倒した場合
    ストライカーのプレーしたボールが反対側のウィケットを倒した場合、そのボールがウィケットを倒す前にフィールダーに触れていればアウトになる。
  2. スコアブックへの記録
    バッツマンがこの規則違反でアウトになった場合、「ランアウト」と記録されるが、この場合ボーラーの奪ウィケットにはならない。
  3. フィールダーのヘルメットからのリバウンドボール
    バッツマンの打球や、身体に当たったボールがフィールダーのヘルメットに当たり、そのリバウンドボールがいずれかのバッツマンのウィケットを倒した場合は、 "Not Out" となる。


LAW39 スタンプト

  1. スタンプト
    ストライカーがノーボールでない投球を受けている間にセーフティーエリアから出た場合(ランニングによるものではなく)、ウィケットキーパーが単独でストライカーズウィケットを倒せばアウトになる。
  2. ウィケットキーパーのアクション
    ウィケットキーパーは、投球がストライカーのバットか身体に触れた場合にかぎって、ウィケットの前でボールをキャッチし、スタンプを狙うことができる。
注意
  1. ウィケットキーパーからのリバウンドボール
    ストライカーは上記1の状況の中で、ウィケットキーパーの身体、プロテクターからのリバウンドボールや、ウィケットキーパーがキックしたり投げたボールによってウィケットが倒された場合アウトとなる。


LAW40 ウィケットキーパー

  1. ウィケットキーパーのポジション
    ウィケットキーパーは、投球がストライカーのバット、身体に当たるか、ウィケットを通過するか、もしくはストライカーがランを狙う瞬間まで、完全にウィケットの後方にいなければならない。
    ウィケットキーパーがこの規則に違反した場合、ストライカーズエンドのアンパイアは違反があった後すぐに「ノーボール」のコールとシグナルをする。
  2. ウィケットキーパーのアクションの制限
    LAW33(ハンドルド・ザ・ボール)、LAW34(ヒット・ザ・ボール・トワイス)、LAW37(オブストラクティング・ザ・フィールド)LAW38(ランアウト)を除き、ウィケットキーパーがストライカーの打つ権利やウィケットを守る権利を妨害した場合はアウトにならない。
  3. ストライカーによるウィケットキーパーに対する妨害
    LAW37.2(コートを妨害した場合)の場合を除き、規則にしたがってウィケットを守る際に、ストライカーがウィケットキーパーを妨害してもアウトにならない。